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- 五本指靴下はアーチが潰れるってホント?
INNER FACTも五本指靴下を販売しているので、靴下メーカーとしては正確な情報を把握すべく国内外の論文をいくつも探しては確認しました。
その結果、一つの答えに行き着いたのでご紹介。
大前提として、五本指靴下擁護派の意見を書き綴るのではなく、事実を基に第三者的な視点と立ち位置で見極めたいと思います。
ですので、もしこれから書く内容に間違いがあった際はご指摘頂けますと幸いです。
まず、今回の五本指靴下を履く事で「アーチが潰れる」の意味するところは、足の3つのアーチの一つ「横アーチ」の事でしょう。

出典元:足のこと 体のこと マホラマ
なぜ横のアーチと思うかというと、五本指靴下問題を定義される方の多くは、「五本指靴下を履くと、前屈した際の深度が浅くなる」と言われます。

足の3つのアーチにはそれぞれ下記のような役割があります。
・内側縦アーチ:身体の横揺れの制御
・外側縦アーチ:身体の捻れの制御
・横アーチ:身体の前後の揺れの制御
ですので、横アーチが潰れる事で前屈の深度は浅くなります。
次に、開帳足について説明すると下記画像の青い骨の部分が、足先にかけて開き過ぎると開帳足と言われます。

開帳足が進行すると外反母趾になり、外反母趾の人はほぼ100%開帳足とも言われます。

ここで話しを戻して、五本指靴下を履くとなぜアーチが潰れ、開帳足の原因になるのか。
問題定義されている論文を探すべく国内外のエビデンス(証拠)を探してみました。
・・・ありませんでした。
個人の書いたブログやネット記事にそれらしいことは書いてあったものの、臨床データや科学的根拠を提唱して問題定義している情報は見当たらず。
では、逆に五本指靴下の優位点を探してみました。
こちらは多くの論文、企業や治療院の発信媒体で科学的データを基にしたエビデンスを確認することができました。
一番わかりやすく数値データを基にして発表されていた論文をご紹介。
「五本指ソックスか?静的・動的ハ?ランスに与える影響」
社会医療法人三和会 永山病院リハヒ?リテーション部 松本凱貴先生
専門用語や難しい言葉の使い方が多いですが端的に言うと、五本指靴下と普通の先が丸い靴下をそれぞれ履き、片足立ちしたり、ステップインした時の身体の前後左右の揺れの確認テストを行った。
その結果いずれの場合も五本指靴下が、動的バランスが向上すると認められた。
と言う内容です。
どう言う経緯でどこから「五本指靴下=アーチが潰れる」といった話が出てきたのか不明なのでなんとも言えませんが、今回調べた内容に引っ張られる事なく今後も足指の働きにはフラットな目線で情報収集していきたいと思います。
最後に、実際に五本指靴下を履くと前屈の深度が浅くなったと言う方がいらっしゃるのでその見解を述べたいと思います。
人の身体の構造は人それぞれで微妙に違い、特に足には人体の骨の約1/4が集合しています。
幼少期から現在に至るまでのシューズの履き方や、競技や仕事の特性、日常生活での姿勢や歩き方。
様々な要因で足の形状は個々で大きく変わります。
この記事を書いているわたくしも民間の資格ですが、足指のセミナー講師の資格も持っており数多くの方々の足指を見てきました。
人の数だけ足の形状に個性があると共に、多くの骨の集合体である足はちょっとしたストレッチでも動的バランスが大きく変わります。
その為、一言で五本指靴下といっても、どのような素材、どのような足指の縫製の仕方、どのような厚み、どのような足指形状で、どのような履き方をしたか、など組み合わせによって気が遠くなるほどの可能性が生まれます。
また、人間には「プラセボ(プラシーボ)効果」と言うものが大きく働くので、信頼している人や影響力のある人から話しを聞き実践すると、そのような効果が得られてしまいます。
もちろん、そうでなくとも足指の形状や、靴下の種類や履き方によっても動的バランスは大きく変わります。
ですので、一概に五本指靴下が良い悪いと言う話をするのではなく、どのような五本指靴下がよく、どのような靴下はオススメできないかを最後にお伝えしたいと思います。
なお、ここで言うオススメかどうかは「足指や足の働き」に対してマイナスに働かないことを言いますので、機能面などはまた別の機会にお話しします。
【オススメの五本指靴下】
オススメの五本指靴下は以下の3点を兼ね備えている靴下です。
言い換えると、以下3点のいずれかが当てはまらないとあまりオススメはできないですね。
・生地の厚みが厚すぎない
・足指の長さが短すぎない
・足指一本一本が独立している。
一つずつ見ていくと、生地の厚さ=クッション性と思われている方も多いですが、クッション性は足のアーチとシューズやインソールに求めましょう。
靴下の記事が分厚いと、シューズ内で靴下がよれてしまい足の感覚が悪くなります。
特に五本指靴下で生地が厚いと、不必要に足指が広がりすぎ、浮指を誘発してしまいます。
次に、足指の長さですが足指が短い五本指靴下になると、指が曲がったり剃ってしまったりしてしまい、動的バランスを大きく損ないます。
最後に足指一本一本が独立して作られていること。
これは特に最重要視して欲しいです。
どういうことかと言うと、靴下を履いていない状態で足指が重なっている靴下は絶対にやめて欲しいです。
こんな靴下です。

こういった靴下のわかりやすい特徴としては、足の指と指が重なって織られており、指側面に縫いあとが出ます。
それに対して、一本一本指が独立した作られている靴下はこんな感じになります。

指部分に注目すると一目瞭然かと。
前者のような指が重なっている様な作り方をしている理由は、生産効率が良いから。
一本一本指を独立さセル編み方よりも、指が重なる編み方の方が生産効率が良くその分原価が抑えられます。
履く人のことよりも、利益重視としか考えられないと思っています。
この指が重なる織り方をすることにより得られる履く人のメリットわかる人がいたら是非教えてください。